PROFILE

Momkim
Heng

1983年9月10日
CAMBODIA生まれ。
最終学歴、高校一年生。
家が貧乏のため高校を中退。

モンキム・ヘイン

ヘインと奥さんのこれまで

お寺で日本語を学ぶ。
ボロボロの自転車を購入。
その自転車で通勤し、日本食レストランにてアルバイト。
当時のお給料は日本円で月給約9000円。
現在の奥さんと付き合い始める。
バイト代を貯めてボロボロのバイクを購入。
生活はとても苦しく、一回の食事はカップラーメンを二人で分け合って食べていた。
少しづつお金を貯めてトゥクトゥクを購入。
トゥクトゥクドライバーとして働く。
奥さんと婚約。
奥さんと必死に貯めたお金で結婚式を挙げる。
お金がないので小さな結婚式をして、結婚指輪はなし。
日本人のNGO職員と出会い、NGOスタッフとして働く。
現在に至る。

チャレンジが我々に教えてくれたこと

ヘインはカンボジアでNGO職員として働く男性です。

カンボジアでは婚約時に指輪を渡すことは、誰もが憧れるイベントです。
今もなお多くの貧困層が存在するカンボジアでは、誰しもがそのイベントに参加できるわけではありません。
生活が決して楽ではないヘインの奥さんも、まさかへインがそんなものを用意しているとは思ってもいませんでした。
HACOは奥さんへ結婚指輪を渡すための入れ物として使うことにしました。

指輪を貰った奥さんは泣いて喜びました。
彼女が嬉しかったのは指輪以上に彼の覚悟と思いでした。
へインはHACOを手にとると、QRコードを読み込み、動画を再生しました。
そこには、へインの挑戦と感謝がたくさん詰められていました。

へインが今回選んだ挑戦は高いところに登ること。

正直最初にこの映像を見た我々は彼の本気の挑戦とは思えませんでした。
それでも奥さんだけは彼が高いところを避けて生きてきたことを知っていました。
今回のチャレンジは、この入れ物を二人だけの大切なモノにすることに成功しました。

もう一つへインにとっても、我々にとっても嬉しいことがありました。
それが3つ目の挑戦です。
ゴミを拾うへインは多くの人から変な目で見られたと言います。
カンボジアではゴミを拾うという文化がなく、ゴミ拾いといえばゴミを販売して生計を立てている貧困層のすること。
彼のような綺麗な服を着た人がゴミを拾う姿はカンボジア人にとって、大変珍しい光景だったのでしょう。
チャレンジを終えたへインは周囲にこんなことを言いました。

「ゴミ拾いは自分の周りを綺麗にして、この環境を未来に残すためにするんだよ。」

この思いは思わぬところで変化を生みました。

託児所に通う先生達が、へインの行動に共感し、ゴミ拾いを始めたのです。
託児所のゴミがなくなり、綺麗な環境で子供達が過ごせるようになりました。

自分の子ども達(未来)のためであれば人は変われる。


透明で見えないはずの箱が
価値(愛や思い)が詰まることで特別な箱に見える。
何の価値も持たないタダの箱も、送り主の覚悟や思いでいくらでも価値を持つことがある。

彼の挑戦はそんなことを我々に教えてくれました。