PROFILE

Sakigawa
Yusuke

1983年6月11日
名前:先川裕之
不動技研株式会社
生産・商品部

先川 裕之

先川さんと奥さんのこれまで

奥さんとは高校の同級生。
23才の時、偶然買い物に行った店で再会。
それから8年の交際を経て結婚した。

チャレンジが我々に教えてくれたこと

先川さんはプラスチックの製造を主に行う、不動技研株式会社の社員です。

すごく口下手でシャイな彼にとって、このようなサプライズの演出は初めてのこと。自分一人ではこのようなチャレンジをすることは決してなかったと彼は語ります。
今回この企画に手を挙げた理由は、「こんな機会がなければ、一生奥さんに心の奥にある感謝を伝えることはできないと思ったから」だそうです。

彼は自身の結婚式で、これまでの感謝を込めて、そして共に生きて行くための覚悟として、「HACO」を奥さんに渡すことにしました。

中には何も入れない。自分の想いと、このプラスチックのただの箱を渡すことにしました。

彼の挑戦は歌を歌うことでした。

シャイな彼は、今まで人前で歌うことを避けて生きてきました。そのため彼は自他共に認める音痴でした。課題曲を決め、上司と部下の前で歌い切ることを誓いました。約束の日は一週間後。
このチャレンジを決めてから、彼は毎日歌の特訓をしました。奥さんのいないところで何度も同じ曲を聴き、歌いました。
そして本番。小さなカラオケボックスの中で、上司や部下達が見守る中撮影は終了しました。

結婚式当日。
HACOのQRコードが読み込まれ、会場のスクリーンにチャレンジの動画が映し出されました。そこに写っていたのは、やっぱり音痴な彼の姿と、彼を見て笑う同僚達でした。その映像を見た会場は笑いに包まれました。
しかし、奥さんだけはそれを笑いませんでした。真剣に彼の挑戦を見つめていました。奥さんの気持ちが会場にも伝わったのか、動画が終わる頃には会場の中にすすり泣く声がちらほら聞こえるようになりました。

音痴な男の笑える動画はその会場にとって世界一感動する動画になりました。

感謝は手紙にして、その場で直接伝えました。人前で大好きな人に想いを伝えるというシャイな彼なりの挑戦でした。それはとても動画には収まりきらない8年の想いが詰まった長い長いありがとうでした。

我々は日頃からものづくりをしていこうと心がけています。それでも安く、便利であるが故に、簡単に捨てられてしまう。それは仕方のないことだと思っていました。
しかし、彼のチャレンジは、一見何もないような箱でも、渡すまでのストーリーで価値は変えられるということを教えてくれました。
今後、この様な気づきを与えられる製品を生み出していくことが、環境に負荷の少ないものづくり企業を目指す我々の使命だと思います。
彼のチャレンジは、我々にそして彼自身に、生産していく者の責任を改めて教えてくれました。